ニューヨークの移民夫婦が負う秘密
“夫婦”の在り方について考えさせる
ニューヨークの大学で建築の研究をしている賢治は自分の研究が評価されないことに
悩んでいた。
一方、人形劇団のアートディレクターを務めるジェーンは育児や父の介護に追われ、仕事を
抑えざるを得ない。
物騒なニューヨークの光景を捉えた映画冒頭から不穏な雰囲気が漂う。
怪しげな廃墟に忍び込む賢治や、巨大な人形に心酔するジェーンは少し謎めいて見える。
そんな中、カイの誘拐事件が起こり、夫婦それぞれが胸に秘めていた過去の秘密や苦悩が
明らかになる。
ジェーンが仕事で不在だったことから、カイを大学に連れて行った賢治が目を離したすきに
カイはいなくなってしまう。
そのため、2人は互いの不注意な行動をなじり合う。
カイが行方不明になってからは、夫婦の口論ばかりで聴いていて辛くなるが、子どもの誘拐
という異常事態は理性を奪い、2人は感情のままに本音をぶつけ合う。
そして、互いの行動に疑問が生まれ疑心暗鬼に陥っていく。
『ディストラクション・ベイビーズ』(’16年)、
『宮本から君へ』(’19年)の鬼才・真利子哲也
監督による6年ぶりの最新作は
サスペンスタッチのヒューマンドラマ。
誘拐事件の真相とともに興味を引かれるのは、一番信じたい人を信じられない悲劇の行方。
この映画では、共に移民の2人は激しい口論になると互いの母国語を使い、話し合うことが
できなくなるというシーンがあり、他人が分かり合うことの絶対的な難しさと大切さを痛感させる。
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2019年より1年間、新進芸術家海外派遣制度でアメリカ
へ留学した真利子監督が新作の舞台に選んだのは、
人種のるつぼニューヨーク。
移民であるアジア人夫婦を主人公にした夫婦の崩壊劇
は、“見知らぬ他人”である人間を、家族として愛する
ことになる“夫婦”という人間関係の不思議に迫って
いる。
日本人の大学助教授・賢治(西島秀俊)は中華系
アメリカ人の妻ジェーン(グイ・ルンメイ)と幼い息子
のカイとニューヨーク・ブルックリンで暮らしている。
©Roji Films, TOEI COMPANY, LTD.
愛し合った夫婦、血を分けた家族であっても、人の心の奥底まで知ることは
難しいのかもしれない。
それでも、一番身近な他人と幸せに生きる方法を見つけたい、と思わせる
作品である。
真利子監督が日本語で手がけた脚本を英訳し、セリフの90%以上は
英語となっている。
英語セリフに挑戦した西島秀俊と、クールビューティーな台湾出身の
グイ・ルンメイが鬼気迫る熱演で、ミステリアスなキャラクターに息を吹き込む。
ライター:能登春子
9月12日よりロードショー
シネマプレイスはあんか通販とともに、楽しい情報をお届けいたします。
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CINEMAライター 能登春子/木香圭介/宮島一美/石倉ことこ
ライター:能登春子
芸術かポルノかで物議を醸した1シーンの真相
映画に尊厳を奪われた女優の名誉回復に挑む
意欲作
9月5日よりロードショー
イタリアの名匠ベルナルド・ベルトリッチ監督が気鋭の
若手監督として注目を集めていた1972年に発表された
『ラストタンゴ・イン・パリ』は、過激な性描写シーンが
世界的な物議を醸した問題作である。
孤独な中年男性と若いパリジェンヌによる、本能むき出し
の情愛の光景は人間の本質を捉えた崇高な芸術なのか、
監督の欲望が生んだ悪趣味なポルノなのか。
その判断は観る側により真っ二つに分かれ裁判沙汰にも
なったが、映画としての評価はとても高く、映画史を語る
うえで不可欠な作品と言えるだろう。
ベルトリッチ監督は『ラスト~』で米アカデミー賞監督賞
候補になり、後に歴史大作『ラストエンペラー』(’87年)
を手がけて大きな飛躍を遂げる一方で、19歳で『ラスト~』
の主人公の女性を演じた女優マリア・シュナイダーは
その後の人生を狂わせていく。
誰もが他人の尊厳を奪うことに加担しているかもしれない――。
現代にも根深く巣くう社会の悪習を冷静に指摘し、問題提起をした意義深い
作品となっている。
そして、マリアを悲劇のヒロインにとどめないラストが素晴らしい。
絶望でボロボロになるマリアを体当たりで演じたアナマリア・ヴァルトロメイは
フランス映画『あのこと』(’21年)で数々の賞に輝いたフランス期待の若手女優。
ポン・ジュノ監督作『ミッキー17』でハリウッド進出を果たしている。
『ラスト~』のマーロン・ブランドをかつての青春スター、マット・ディロンが大人の
魅力たっぷりに演じているもの話題。
©Universal Studios. All Rights Reserved.
だから、アニメ版のおもしろさを知る人なら、実写版に
対しては大きな期待とともに難しい試みへの不安も
感じることだろう。
しかし、そんな心配はまったく無用である。
ライター:能登春子
8月15日よりロードショー
地上部隊がCIAエージェントが捕らわれているとされる邸宅を偵察していると、そこへゲリラ一味
が現れる。
予期せぬ事態に遭遇した地上部隊はテロリストたちに見つかってしまい、激しい銃撃戦に
巻き込まれる。
リーパーは難を逃れたキニーの姿を衛星画像でとらえ、助けようとするのだが…。
クリっとした瞳を持つ表情豊かなトゥースの愛らしさ、多種多様なドラゴンが登場するアクション
シーンの迫力、そして、他者への思いやりを説くメッセージの温かさなど、最新テクノロジーを
駆使しストーリーを丁寧に練り上げた実写版は、アニメ版をしのぐ驚きや感動をもたらす力作だ。
遠隔操作によるスリリングな救出ミッション
新鮮で驚くべき面白さに満ちた戦闘アクション映画
マリーの弟家族に支えられながらマリアはモデルを経て女優となり、19歳でベルナルド・
ベルトリッチ監督と出会い、大人のラブストーリー『ラストタンゴ・イン・パリ』の主演女優に
抜擢される。
映画冒頭、家庭環境に恵まれないマリアの姿に辛くなる。
父のダニエルとの交流はあるものの、1人で生きることを余儀なくされたマリアに映画界からの
仕打ちが待ち受ける。
そんなある日、ヒックは自作の投石器を駆使してドラゴンの中で最も狂暴とされる伝説のドラゴン、
ナイト・フューリーの撃墜に成功するものの、怪我をしたドラゴンにとどめを刺すことができなかった。
後日、傷ついて飛べないドラゴンを見つけたヒックは、こっそりと助けることにするが、それは
バイキングの掟に反することだった。
この遠隔操作による戦闘を成功に導くために、地上部隊
と航空機を連携させて精密な航空支援を指示する
JTAC(統合末端攻撃統制官)と呼ばれる専門兵士が
いるという。
2024 © LES FILMS DE MINA / STUDIO CANAL
/ MOTEUR S’ IL VOUS / FIN AOUT
本作は、マリアのいとこでジャーナリストのヴァネッサ・
シュナイダーの著書を基に、マリアの波乱の人生を
マリアの視点で描き、女性の尊厳を踏みにじられた
マリアの痛切な訴えを発信する。
『ラスト~』で主演男優マーロン・ブランドとのラブシーン撮影の直前、ベルトリッチはマリアに
「もっと踏み込む」と軽く告げただけで、マリアの承諾なしに過激な性描写シーンを撮影する。
問題となった「バター」のシーンが劇中でも描かれるが、突然の屈辱的な行為に苦悶し慟哭する
マリアの顔のアップのみが長く捉えられる。
ライター:能登春子
フルCGアニメ版の高いクオリティを継承
新たなドラゴン物語にワクワクする実写版
9月5日よりロードショー
ダニエル・ジェラン(イヴァン・アタル)の婚外子として生まれたマリア・シュナイダー(アナマリア・
ヴァルトロメイ)は、母のマリー(マリー・ジラン)と2人で暮らしていたが、ダニエルの撮影現場へ
行ったことがマリーの怒りをかい、家を追い出されてしまう。
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舞台はバイキング一族とドラゴンが戦いを繰り広げるバーク島。
族長ストイック(ジェラルド・バトラー)の息子ヒック(メイソン・テムズ)はひ弱で何をしても
失敗ばかりだったが、勇敢な父に認められるためにドラゴン退治の訓練“炎の訓練”に参加して、
トップ・スレイヤーを目指している。
現代の戦争は戦地から遠く離れた空軍基地の指令室で
無人攻撃機をセットし、ターゲットめがけて空爆する。
しかし、地上の様子や敵の動き、空爆の位置やタイミング
など、細かな情報を正確に見極め、さらに不測の事態に
備えるためには、やはり人間が危険な現場に赴かなければ
ならない。
心優しいバイキングの少年ヒックと、人懐こいドラゴンの
トゥースとの友情と冒険を描いたアニメ版は、フルCG
ならではの愛らしいキャラクター造形とダイナミックな
空のアクションシーンに加え、悩めるヒックの心の成長
が胸を打つハートフルなストーリーが好評を博し、後に
2本の続編が製作される大人気シリーズとなった。
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反政府ゲリラに誘拐されたCIAエージェントを救出するために、米軍精鋭特殊部隊デルタフォース
の極秘任務が行われる。
イスラム過激派の温床でもある危険な南アジアの孤島・スールー島へ向かったのは、デルタ
フォースの3人の精鋭とJTACの新米兵士キニー軍曹(リアム・ヘムズワース)。
4人の地上部隊の行動を米空軍基地から見守るのは、無人機攻撃機のベテランオペレーター、
“リーパー”ことエディ・グリム空軍大尉(ラッセル・クロウ)。
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編集長がたった1人で執筆していたのは、古びた出版社の地下にある資料倉庫。
人気のない、薄暗い地下倉庫というシチュエーションだけでも薄気味悪いが、そこで観る
オカルト映像の怖いこと! 原作の醍醐味である恐怖体験の数々をぜひ映像で観てほしい。
ライター:能登春子
8月8日よりロードショー
不思議な目撃証言のある幼女失踪事件のニュース、中学生の集団ヒステリー事件を撮影した
ビデオ、心霊スポットでの動画配信、「見たら死ぬ」動画、お札のように貼られた謎の絵と文字、
ちょっと怖い昔話のテレビアニメなど、霊を直接捉えたものはもちろん、霊の呪いや祟りが
あるかもしれないと想像させる映像もめちゃくちゃ怖い。
壮大かつ危険な恐竜の世界が再び幕を開ける
期待を裏切らない『ジュラシック』シリーズ最新作
エンタメ映画の巨匠スティーブン・スピルバーグが
『ジュラシック・パーク』(’93年)で、超ド級のスリルと
興奮が味わえる恐竜の世界を描いてから実に32年。
世界を舞台にスケールアップした恐竜たちとのバトル
が展開された『ジュラシック・ワールド』3部作
(’15~’22年)の大ヒットを経て、不動の人気を確立した
『ジュラシック』シリーズの新章が幕を開ける。
監督・脚本はフランス出身の女流監督ジェシカ・パルー。
過激な性描写で知られるベルトリッチ監督作『ドリーマーズ』(’03年)ではインターンとして
撮影に関わっていたという。
マリアの悲劇はベルトリッチの才能が暴走したことがきっかけではあったが、
彼の蛮行を黙って受け入れた現場スタッフや、後にマリアを性的なイメージで
捉えた一般の人々の態度が招いたことでもある。
1人の女性が尊厳を奪われていく姿は衝撃的で、観ているだけで苦しくなってくる。
やはり当該シーンを芸術と呼ぶことに疑問が湧いてくる。
『タンゴ』の後で苛烈なトラウマに苦しむマリアはドラッグに依存し女優生命の危機を迎えるが、
恋人の女性ヌール(セレスト・ブランケル)の懸命な支えにより、立ち直っていく。
『シュレック』(’01年)のドリームワークス・アニメー
ションが手がけ、スマッシュヒットとなったフルCG長編
アニメーション『ヒックとドラゴン』(’10年)が
実写映画になって登場する。
原作とは異なるラストは観てのお楽しみだが、この映画に
おける恐怖映像の集大成と言えるだろう。
監督は『ノロイ』(’05年)、『貞子vs伽椰子』(’16年)など、
Jホラーを牽引する白石晃士。
原作者の背筋は脚本協力という形で本作に参加し、
映画ならではのアイデアを出したという。
異常な暑さの今年の夏、背筋がゾクゾクするほど涼しく
してくれること請け合いの “怖い映画”の決定版である。
©2025 Universal Studios.
All Rights Reserved.
シリーズ7作目の舞台は、前作『ジュラシック・ワールド/
新たなる支配者』(’22年)から5年後の世界。
かつて世界中に放たれた恐竜たちのクローンは厳しい
地球環境により数を減らし、太古の時代の気候に近い
赤道直下の限られた地域にだけ生息していた。
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一方、いつも物憂げなプラバはドイツへ働きに出た夫から1年以上も連絡がないことを悩んで
いたが、気の優しいドクターのマノージ(アジース・ネドゥマンガル)と知り合い、自作の詩集を
贈られる。
そして、プラバの友人で病院の食堂で働くパルヴァティ(チャヤ・カダム)は高層ビルの建設に
伴い、22年間暮らした自宅から立ち退きを迫られていた。
ライター:能登春子
家族の喪失と再生の物語
乾ききった心に生まれた希望
7月4日より全国公開
アニメ版3部作の監督と共同脚本を手がけたディーン・デュボア
が、実写版の監督と脚本を務めている。
ヒックの成長のみならず、炎の訓練を共に受けるバイキングの
仲間たちや父ストイックなど、勇敢な戦士であることを義務付け
られた人々の心の変容もきちんと盛り込まれている点に好感が
持てる。
“戦うこと”について考えさせるヒューマンタッチのアクション
アドベンチャーは爽快感に溢れている。
© 2025 JTAC PRODUCTIONS LLC.
ALL RIGHTS RESERVED.
本作は知られざるJTACの役割と、驚くべき米空軍による
無人攻撃機ミッションの舞台裏を明らかにした戦闘
アクション映画。
アメリカではスマッシュヒットを記録、レビューサイトでも
高評価を得ている。
それは、新鮮な面白さに満ちているからである。
デルタフォースと反政府ゲリラとの壮絶な戦闘アクションとともに、見どころとなるのはJTACの
知識を持つキミーと遠く離れた空軍基地とのスリリングな連携。
ハイテク技術を駆使したデジタル戦闘の盲点をつくような痛快なクライマックスがこの映画をぜひ
観るべき作品にしている。
物語はオカルトライターの千紘(菅野美穂)が行方不明
になった友人の情報提供を求める動画で始まる。
千紘と旧知のオカルト雑誌の編集長が特集記事の執筆中、
行方不明になってしまう。
編集部員の小沢(赤楚衛二)は雑誌が発行できない事態
を回避するために、千紘に助けを求める。
2人は編集長の代わりに特集記事を書くために、彼が執筆
の資料として集めた過去の未解決事件や怪現象を扱った
記事や映像をひとつずつ調べていく。
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こうしてゾーラとマーティンのほか、古生物学者のヘンリー・ルーミス博士(ジョナサン・
ベイリー)、ゾーラが最も信頼する傭兵ダンカン・キンケイド(マハーシャラ・アリ)などによる
探索チームが結成される。
チーム一行はまず初めに、海に生息するモササウルスを探しに大海原へ乗り出す。
厳しい社会を照らす希望の光を見つけて
美しく、アーティスティックなインド映画
秘密工作の専門家ゾーラ・ベネット(スカーレット・ヨハンソン)は破格の報酬で、製薬会社の
代表マーティン・クレブス(ルパート・グラント)から、人類を救う新薬を開発するために
陸・海・空の3大恐竜のDNAを採取するという危険な任務を引き受ける。
ライター:能登春子
7月25日よりロードショー
ムンバイは「“夢の街”と言われているけれど、それは幻想」とこの映画のセリフにある。
自らの希望や欲望を叶え満ち足りた人生を送る人もいれば、ままならない現実に苦しみ、絶望の
淵へと追いやられる人もいるだろう。
これはほとんどの国にある現実だが、かつてカースト制度のあったインドにとってはことさら
深刻な問題に思える。
結婚や住居の問題などインドの厳しい現実に驚きつつも、“どん底”に陥った時の対処法として
上記のセリフの後に示される深い言葉に思わず納得してしまう。
劇作家・松田正隆が原作を手がけ、何度も舞台化
されている傑作戯曲を映画化。
雨が一滴も降らない、からからに乾いた夏の長崎を
舞台に、夏の砂のように心が乾ききってしまった人々の
人生が交錯する。
長崎で暮らす小浦治(オダギリジョー)は幼い息子を
亡くした喪失感を抱え、空虚な日々を送っていた。
妻の恵子(松たか子)とは息子の死後、うまく行かなく
なり別居中だった。
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茨城県の高校2年生・亜紗(桜田ひより)は子どもの頃から宇宙に憧れており、女性宇宙飛行士・
花井うみか(堀田茜)の話を聞き、さらに宇宙への夢を膨らませる。
高校では天文部に所属し、亜紗の同級生・飯島(水沢林太郎)が提案したナスミス式望遠鏡の
制作に取り組んでいた。
キニーを演じたのは大ヒット映画『ハンガー・ゲーム』シリーズの「ゲイル」役が
人気を呼んだリアム・ヘムズワース。
反政府ゲリラとの死闘をリアリティたっぷりに演じ、アカデミー俳優ラッセル・
クロウとのW主演を堂々と務めている。
©2025「近畿地方のある場所について」製作委員会
シリーズ初となる海洋アクションシーンは迫力満点だ。
海上では、2人の娘と長女のボーイフレンドを連れて船旅中のルーベン・デルガド(マヌエル・
ガルシア=ルルフォ)のヨットがモササウルスに襲われるが、海に投げ出されたルーベンたちは
危機一髪のところをゾーラたちに救助される。
海での死闘に続き、舞台はかつて「ジュラシック・パーク」の極秘研究が行われていた“禁断の島”、
サン・ユベール島へ移る。多種多様な恐竜たちが悠然と生きる島の光景は壮観だ。
怖いけれど、「恐竜たちを目の前で見てみたい」という欲求に囚われ、ワクワクさせられる。
インドの女流監督パヤル・カパーリヤーが長編映画
監督デビュー作にして、インド映画として初のカンヌ
国際映画祭グランプリ受賞の快挙を果たした
ヒューマンドラマ。
大都会へと発展を遂げるインドの都市ムンバイを舞台
に、不当な制度や封建的な因習、厳格な宗教などに
囚われたインド社会の現実に翻弄される3人の女性たち
の姿を追う。
スターキャッチコンテストとは手づくりの望遠鏡で星を捉えるスピードを競う競技。
お題となった星をめざして、学生たちがスピーディに望遠鏡を動かすシーンはスリリングで、
カッコいい。
大きな夢を持つ亜紗を生き生きと演じた桜田ひよりや、『怪物』(’23年)、『国宝』(’25年)の
名子役・黒川想矢、『PERFECT DAYS』(’24年)で女優デビューを飾った中野有紗など、
実力派の若手俳優たちの繊細な演技も見どころ。
近年では、36年ぶりの続編『トップガン マーヴェリック』
('22年)を大成功に導き、人気アクション映画シリーズ
の最終作『ミッション:インポッシブル/ファイナル・
レコニング』('25年)で驚異的なアクションシーンを
可能なかぎり自ら演じて大きな注目を集めるなど、
トム・クルーズの年齢をものともしない、飽くなき
チャレンジ精神はひたむきに頑張り続けることの
大切さを教えてくれた。
女子ばかりのクラスになじめない真宙や、実家の旅館がコロナ禍の風評被害に遭う円華、円華の
高校に離島留学制度でやって来た野球部の武藤(和田庵)など、多感な中高生の心に、さらに
コロナ禍の不安がのしかかる。
コロナ禍における中高生たちの奮闘の物語ではあるが、無限の星がまたたく宇宙空間の美しさ、
どんな状況でも夢の世界を追いかける中高生たちの逞しさなど、暗い夜空から未来への希望を
想起させる〈スターキャッチコンテスト〉シーンは大人の心もぐっと掴む。
トム・クルーズやブラッド・ピットなど、'80年代後半から
頭角を現したハリウッド映画界きっての人気スターたち
の活躍をリアルタイムで観てきた人なら、彼らが60歳
を超えているということに深い感慨を抱くだろう。
しかし、彼らの活躍は今なお目覚ましく、その存在感は
まだまだ大きいと思わせる。
ゾーラたちは空と陸の恐竜のDNAを採るために、ルーベンたちは
脱出ルートを探そうとして、さまざまな恐竜に遭遇し、さまざまな
アクションシーンが繰り広げられるが、そのどれもが本当に面白い。
本作の脚本は、最初の2作『ジュラシック・パーク』、『ロスト・ワールド/
ジュラシック・パーク』(’97年)の脚本を手がけたデヴィッド・コープ。
傑作だった1作目の雰囲気をたたえながらも、映像、ストーリーともに
複雑に進化している。
ムンバイで看護師をするプラバ(カニ・クスルティ)と
年下の同僚アヌ(ディヴィヤ・プラバ)はルームメイトで
一緒に暮らしている。
しかし、職場と家を往復するだけの日々を送る真面目な
プラバと、何ごとも楽しみたい陽気なアヌとの間には
少し心の距離があった。
若いアヌにはイスラム教の恋人シアーズ(リドゥ・
ハールーン)がいたが、異教徒との結婚は絶対に許さ
ない親にはもちろん、プラバや同僚たちにも秘密の恋
だった。
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高校へ行かずにアルバイトを始めた優子は先輩の立山(高橋文哉)に好意を抱かれるように
なる。
すると治は愛に無防備な優子を父親のように心配しはじめる。
新型コロナウイルスの爆発的な流行が世界中の人々の
日常を変えた2020年。
未知のウイルスへの徹底した感染予防対策により、大勢
の人々が集まったり、直接触れ合ったりすることが制限
された日々は、人々からさまざまな体験や経験の機会を
奪い、苦い記憶として残っている人も多いだろう。
物語は米軍基地の和やかなシーンで幕を開ける。
待機中の兵士たちが娯楽室でプロバスケットボールの試合をテレビで楽しむ一方で、4度離婚
したというリーパーは再婚した妻から出産の連絡を待っており、イライラ気味。
それでも極秘任務に就かなくてはならないリーパーは、テレビを楽しむ兵士たちに娯楽室の電話
に妻から連絡があったら教えてくれるよう頼んでいく。
同じ極秘任務に就きながら、方や現地でテロリストたちに命を狙われ、方や和やかな状況が
すぐそばにあるというギャップの大きさに驚かされる。
ライター:能登春子
8月8日よりロードショー
恐怖映像のオンパレードに背筋が凍る
大人気ホラー小説が待望の映画化
破天荒さを感じさせるリーパーは軽口をたたきながらも、ひとたびデルタフォースに危機が迫ると
冷静沈着な判断で、孤軍奮闘するキニーを導いていく。
ずいぶんと巨漢になったラッセル・クロウにも驚かされるが、荒々しくも頼りがいのある老練な
リーパーを好演し、閉鎖的な指令室パートを盛り上げる。
役作りのための体型変化だとしたら、ラッセル・クロウは本当に見ごたえのある俳優だとつくづく思う。
Web小説サイト・カクヨムに投稿され、虚構と現実が
あいまいなインターネットの特性を生かした「思わず
信じてしまう」ほどリアルな都市伝説が大きな反響を
呼び、累計2300万PVを超える大ヒットを記録。
書籍化されると発行部数70万部を突破した超話題の
ホラー小説が映画化された。
ネイサンの痛みとともに、映画から伝わるのは彼の純粋で優しい心。
学生時代には痛みを感じない体をイジられて、「Mr.ノボカイン(局所麻酔薬)」と呼ばれていた
ネイサン。
他人に心を閉ざしたネイサンに愛をくれたシェリーのために、傷だらけになりながらも、
ただひたむきに無茶苦茶な状況を突き進むネイサンを応援したくなってくる。
絶望の中に見つけた希望の物語
人を思う温かい心に幸せは訪れる
1915年にオスマン帝国(現在のトルコ)で起こった
アルメニア人に対する迫害(ジェノサイド)を生き
延びた祖父を持つアルメニア系アメリカ人俳優
マイケル・グールジャンが主演・監督・脚本・編集
の4役を務めた珠玉のヒューマンドラマ。
ブラッド・ピットは激しいレースアクションシーンをこなすと
ともに悩めるソニーを静かに熱演。
顔には深いしわが刻まれているがその佇まいだけで存在感
があり、やっぱり魅力的だ。
衝撃的なサイコ・スリラー映画『セブン』('95年)で
大ブレイクを果たしてから、ちょうど30年。
今なおエンターテイメント超大作で主演を期待される貴重な
トップスターの1人だ。
“痛いシーン”のオンパレードに覚悟しながら、思い切り
笑って楽しんでほしい!
主人公のネイサン・カイン(ジャック・クエイド)は気弱で
マジメな銀行員。
独り静かに規則正しい生活を送っていたが、ひょんなこと
から勤務先の新人シェリー(アンバー・ミッドサンダー)
と恋仲になる。
ジョセフ・コシンスキー監督や製作のジェリー・ブラッ
カイマーなど、『トップガン マーヴェリック』の製作
チームが再結集。
年齢をものともせず、夢の実現にかけた男のひたむきな
姿に胸が熱くなる。
迫力のレースシーンはぜひIMAX上映で楽しんでほしい。
©2025 PARAMAOUNT PICTURES.
オフィシャルサイト
描かれるのは、絶望的な状況の中でも希望を見い出そうとする男の物語。
チャーリーの希望は人のぬくもりを感じることなのだろう。
チャーリーは独房の小さな窓から見えるアパートの部屋に住む若い夫婦と一緒の時間を
過ごそうとする。
夫婦が食事をすればチャーリーも彼らと一緒にいる気分で食事をし、夫婦がパーティをすれば
一緒にいる気分で楽しむ。
夫のティグラン(ホヴィク・ケウチケリアン)が絵を描いていると知ればチャーリーも作業場の
砂利を集めて絵を描き始める。
そして、夫婦に別れの危機が訪れるとチャーリーは必死に2人の仲を取りもとうとするのだ。
そんなある日、銀行に強盗が入る。
金庫から金を奪った強盗たちはシェリーを人質にして逃げる。
するとネイサンは大切なシェリーを助けるために銀行強盗たちを必死に追いかける。
千紘と小沢が資料をまとめ上げ、わずかな共通点を見つけてたどり着いたのは
「近畿地方のある場所」。
そこには一体何があるのか?謎めいた事件や怪現象を描くモキュメンタリーパートと、それらを
考察するキャラクターたちの反応を描く
映画パートで構成されたストーリーは、恐怖の出来事を目の当たりにするドキドキ感と、それらの
繋がりが解き明かされるカタルシスが十分に味わえる。
監督と共同脚本を務めたのは、インデペンデント映画の『地球、最後の男』(’11年)、
『シグナル』(’14年)など、奇想天外なSFスリラーで注目を集めたウィリアム・ユーバンク。
長編映画監督作5作目となる本作では、スローモーション映像を交えたインパクト大の
アクションシーンに加え、巧みなストーリーテリングがさえわたっている。
息子を亡くした悲しみを分かち合えなかった夫婦の複雑な心模様を繊細に演じたオダギリ
ジョーと松たか子に加え、『ベイビーわるきゅーれ』シリーズで注目を集めた新鋭・髙石あかり
が鮮烈な存在感を放つ。
髙石は2025年度後期NHK連続テレビ小説『ばけばけ』のヒロインに抜擢されており、
今後の活躍が期待されている。
原作に惚れこみ、舞台版も手がけた劇作家の玉田真也が脚本と監督を務めている。
静かな語り口で心の痛みにそっと寄り添い、切なくも温かいドラマに仕上げた。
第27回上海国際映画祭審査員特別賞を受賞した。
©2025「この夏の星を見る」製作委員会
オフィシャルサイト
そんなソニーの元へ、かつてのチームメイトで今は最下位に沈む弱小F1チーム「エイペックス」
の代表を務めるルーベン(ハビエル・バルデム)が現れる。
ソニーはルーベンの誘いに乗り、エイペックスに勝利をもたらすために現役復帰を果たす。
直木賞作家で青春小説の旗手、辻村深月原作の
人気小説を実写映画化した本作は、未曽有の混乱が
始まったコロナ禍1年目に、「この夏の星を見る!」と
決めた中高生たちの物語。
先の見えない不穏な現実に抗うように、夜空に輝く星々
を見つけることに希望を見い出す学生たちの姿が爽やか
な感動を呼ぶ。
ソニーはエイペックスの自信家の新人レーサー、ジョシュア(ダムソン・イドリス)と組み、
F1レース後半の9戦を戦うことになる。
若いジョシュアはソニーを年寄り扱いして反発し、チームメイトは型破りなソニーの作戦に
困惑する。
初めのうちは考えが合わず失敗ばかりのチームだが、経験に裏打ちされたソニーの作戦は
奏功し、エイペックスは1戦ごとに順位を上げていく。
アクションヒーローの肉体的な“痛み”を
体験?!
シュールで楽しい、斬新なアクション映画
ライター:能登春子
6月20日より全国ロードショー
シリーズ初の女性主人公を演じるのは、『アベンジャーズ』シリーズですっかりアクション
女優の顔が定着したスカーレット・ヨハンソン。
本作でも気迫のこもった演技とキレッキレのアクションで抜群の存在感を見せている。
© PETIT CHAOS – CHALK & CHEESE FILMS –
BALDR FILM – LES FILMS FAUVES –
ARTE FRANCE CINEMA – 2024
乾ききった治の心にじわじわと父性が宿る様子にじんわりと熱いものがこみ上げる。
悲しい出来事が起こっても人生は続いていく。
雨の降らない厳しい夏もいつかは終わりを告げる時が来る。
時代遅れの異端児ソニーが加入したことで起こる、衝突と和解、友情と愛、裏切りと再起の
ドラマは王道的な展開だが、チームで戦うF1レースの醍醐味を存分に味わわせてくれる。
スピーディで臨場感あふれるレースシーンはF1レース中の駆け引きが細かく描かれており、
F1に詳しくなくても純粋にワクワクする。本作でF1の魅力にはまってしまうかもしれない。
“生まれつき体の痛みをまったく感じない”という
超特異体質の男性を主人公にした、新しいタイプの
アクション映画。
主人公は激しいアクションをして、とんでもなく
ひどい目に遭うのだけれど、痛みを感じないから
涼しい顔。
代わりにとんでもない痛みを想像して悶絶するのは、
観客のほうだ。
坂の多い長崎に真夏の太陽は一層厳しいけれど、全編、夏の長崎でロケーション撮影
された映像は険しい人生の道程を乗り越えようとする人々の姿をリアルに感じさせてくれる。
特に、残念な状況に置かれたのは学生たちではない
だろうか。
学年が上がるごとに異なる経験を積み、貴重な思い出を
重ねていくはずの青春期にコミュニケーションや自由を
制限された学生たちは、あの閉塞的な日々の中で
どのように前を向くのだろうか。
ムンバイでの暮らしを諦めたパルヴァティは故郷である海辺の村ラトナギリへ戻ることに。
彼女を見送るために一緒に村へ向かったプラバとアヌは神秘的な自然の中で、それぞれの
生き方を見つける。
夜のシーンが多いムンバイではきらびやかな繁華街のネオンやほのかなスマートフォンの
ライトなど。寂しくも静かな海辺の村では雄大な太陽や水がきらめく海など、多彩な光が
ちりばめられた映像が美しい。
アナの秘密のデートシーンでの軽快なピアノの旋律や、海辺の家で聴こえる穏やかな波音など、
優しさや温かさが感じられるサウンドも素晴らしい。
働いていた造船所が潰れた後、新しい仕事に就く気にも
なれず、ふらふらしていた治の元に妹の阿佐子(満島
ひかり)が17歳になる娘の優子(髙石あかり)を連れて
やってくる。
うまい儲け話に乗せられた阿佐子は、1人で博多の男の
元へ行くため、治に「優子を預かってほしい」と言い残し、
帰っていく。
2020年、コロナ禍になり部活動を制限され、鬱屈した毎日を送る亜紗はリモート会議を駆使して、
日本各地で同時に天体観測をする競技〈スターキャッチコンテスト〉の開催を提案し、実現に
向けて奔走する。
そして、長崎県五島の悩める高校3年生・円華(中野有紗)や、東京の孤独な中学1年生・真宙
(黒川想矢)など、日本各地の学生たちがオンライン上で画面越しにつながり、スターキャッチ
コンテストが開催されることになる。
ライター:能登春子
年齢を重ねたブラッド・ピットの活躍に期待
圧巻のF1レースが楽しめるアクション超大作
6月27日より全国ロードショー
また、控えめなプラバや奔放なアヌなど、厳しい現実に静かに抵抗する
女性たちへの感情移入を誘う女優たちの静かな熱演も光る。
困難な現実からの再生を“光”になぞらえた物語は繊細で奥行きが深い。
賑々しいインド映画とは一線を画したアーティスティックな映画から、希望の光を
見つけてほしい。
©2025映画『夏の砂の上』製作委員会
ライター:能登春子
7月4日より全国公開
大切な家族を失い抜け殻のように生きる治と、母に去られた境遇を淡々と受け入れる優子。
深い孤独の中にいる2人のひと夏の同居生活が描かれる。
コロナ禍の学生たちが星空に見つけた希望
ピュアなドラマと壮大な夜空の光景に癒される
人の良さそうなネイサンを演じるのは、アメリカの大人気テレビシリーズ
『ザ・ボーイズ』(’19年~)で注目を集めたジャック・クエイド。
人気ハリウッドスター、デニス・クエイドとメグ・ライアンの息子である。
オフィシャルサイト
そして、銀行強盗のボスで、ネイサンに容赦ない攻撃を仕掛けるサイコパスな
サイモンを演じるのはハリウッド屈指の個性派俳優ジャック・ニコルソンの息子、
レイ・ニコルソン。
父親ゆずりの怪演は必見の価値ありだ。
舞台は1948年、ソ連統治下のアルメニア。
幼少期に家族の助けでジェノサイドから逃れアメリカへ
渡ったチャーリー(マイケル・グールジャン)は、自分の
ルーツを知るために祖国アルメニアへ戻ってくる。
また、ネイサンのオンラインゲーム仲間、ロスコーを演じるのは『スパイダーマン』
シリーズのジェイコブ・バタロン。
ネイサンの良き“バディ”となるオタクキャラのロスコーを愛嬌たっぷりに演じ、
良い味を出している。
痛みに負けない、健気なアクションヒーローに大いに親近感がわく。
痛みに強いだけでなく、敵を交わすアイデアも豊富で、最後までスリリングな
ストーリーもよくできている。ぜひシリーズ化を期待したいニューヒーローが誕生した。
チャーリーは彼の親切がきっかけで知り合った心優しい
ソラ(ネリ・ウヴァロワ)の紹介で、彼女の夫でソ連軍
の軍人のドミトリー(ミハイル・トルヒン)に仕事を世話
してもらえることになった。
祖国での新たな生活が始まる、と思いきや、チャーリー
はソ連軍のずさんな管理体制から不当に逮捕され、
刑務所に収監されてしまう。
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荒れ果てた独房の中から、夫婦の生活を通して自由な世界に想いを馳せるチャーリーの
姿は切ないけれどユーモラスでチャーミングだ。
人の良さそうな、穏やかな笑顔が印象的なチャーリーにとても好感が持て、
彼の幸せを願わずにはいられなくなる。
魅力的なチャーリーを演じきったグールジャンは、ソ連軍がもたらした
アルメニアの哀しい歴史を世界へ発信し、民族間の争いの愚かさを改めて
示し、どんな苦境でも希望を捨てない人間の強さを知らしめた。
今なお戦争が続き、不穏な世界に生きる人々の心にこの作品のメッセージが
届くよう切に願う。
本作が商業映画デビュー作となった監督の山本環、脚本の森本マッシュのほか
大ヒットアニメーション映画『ルックバック』(’24年)のharuka nakamuraが
音楽を手がけるなど、若いクリエイターたちのみずみずしい感性がピュアで
心温まる物語を生み出した。
暗い現実に心が沈んでいたら、ぜひ映画館に足を運び、夜空に広がる希望の星を
追いかけてみてほしい。
本作では、ブラッド・ピットが再起をかけた孤高のF1レーサーを演じ、年齢を経てもなお
闘い続ける男の矜持を見せてくれる。
ソニー(ブラッド・ピット)はかつて“天才”と呼ばれたF1レーサーだったが、レース中の事故で
重傷を負い、F1のキャリアを閉じる。
しかし数年後にレーサーとして復帰し、気の向くままに世界各国の大小さまざまなレースを
渡り歩いていた。
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普通の男ネイサンが“痛みを感じない”という特異体質だけを頼みの綱に強盗たちに立ち向かう
姿がユーモアたっぷりに描かれる。
レストランの厨房で繰り広げられるアクションシーンでは、熱々のフライパンを素手でつかんだり、
グツグツと煮える油の入った鍋に手を突っ込んだりして、ネイサンは手に大やけどを負ってしまう。
痛くはないけれど、ネイサンの体は普通に傷つき、とても痛々しい。それでも、平然と強盗たちに
立ち向かうネイサンの姿がシュールすぎて笑ってしまう。
ライター:能登春子
6月13日より全国ロードショー